日事連では記者発表「建築士法一部改正決定を受け、さらに提言」を行いました


日事連 記者発表

なお、絶えない耐震偽装、名義貸し、無免許・無資格で設計・構造計算�・�・�・
「管理建築士に病院長並みの責任を」/「事務所登録時に協会加入を義務化」
「建築士法一部改正決定を受け、さらに提言」


 

社団法人日本建築士事務所協会連合会( 小川 圭一 会長、三栖邦博常任理事、高津充良専務理事)は、平成18年4月5日、各種メディア記者を集め日本外国人特派員協会「メディア・ルーム」にて、記者発表を行いました。

    

なお、絶えない耐震偽装、名義貸し、無免許・無資格で設計・構造計算�・�・�・

「管理建築士に病院長並みの責任を」「事務所登録時に協会加入を義務化」

日事連、建築士法一部改正決定を受け、さらに提言


罰則の強化など建築士法の一部改正案が決まったことを受け、全国1万 6000の建築士事務所(設計事務所)が加入する(社)日本建築士事務所協会連合会(日事連、東京・中央区、会長・小川圭一)は、5日、「改正は喜ばしい が、違反の根絶のためには建築士事務所に、同じ生命を預かる病院と同等の責任を持たせる必要がある」と、同法のさらなる改正を求める提言をまとめ、発表し ました。

改正を求めるひとつは管理建築士(建築士事務所の管理者で通常、事務所長)の責任の明確化。報酬を得て設計を行うのは、建築士個人ではなく建築士事務所であるにもかかわらず、事務所の指揮官、管理建築士の立場は現行法規ではあいまい。責任の所在をはっきりさせるため、管理建築士に病院長並みの管理責任を持たせること。

もうひとつは、協会加入の義務化。建築士が開業する際、建築士事務所の開設・登録が義務づけられているが、各都道府県建築士事務所協会への加入は自由。これを税理士や弁護士のように強制加入にすることによって、万一、問題を起こした事務所には「退会」など処分をし、業務を行えないようにするーなど。

現行では、管理建築士の責任が極めてあいまいなため、無資格者に構造計算を任せるなど、病院なら医師でないスタッフに診療をさせるような許されない業務も行われ、不祥事、トラブルを起こす原因になっています。

このため、日事連は管理建築士の監督責任を、同じ立場にある病院長並みに法的にはっきりさせることが必要と訴えます。

併せて管理建築士に設計等の業務経験と講習の義務づけを行い、事務所の管理能力のレベルアップをはかることが必要です。

また、建築士事務所開設時に、都道府県ごとの建築士事務所協会への加入を義務づけることは、不祥事、トラブルへの抑 止力になるほか、技術の高度化、法令の複雑化にともなう講習受講の必修化、苦情処理の迅速化、事務所の専門、得意技、実績の情報公開なども可能となり、消 費者(発注者)に対するサービスの向上がはかれます。

「もちろん罰則強化は必要ですが、これだけでは片翼飛行、十分ではありません。建築士事務所が『やってはならない、 やらなくてはならない』こと、すなわち責任の所在をはっきりさせておかないと、誰を罰するのかはっきりしない場合も起こり得ます。さらに指導とチェックの 強化のために、協会加入の強制化は欠かせません」(小川会長)。

また、日事連は、建築士資格の見直しも求めています。建築設計と統括・調整は建築士、構造・設備はそれぞれの専門資格者への分業化、そのために専門資格制度を設けることをあわせて提言しています。

日事連は「提言は規制緩和、自由化という社会の流れにやや逆行する辛さはありますが、もはや建築士事務所や建築士の 自己責任にまかせるではすまされない事態が次々に起きています。また、今後、ますます増える住宅の耐震改修においても、このままではご迷惑をおかけするこ とも考えられ、消費者の生命と財産を守る立場にある本連合会としては、この道を選ばざるを得ません」(小川会長)。

   

(左/高津充良専務理事)(中/小川圭一会長)(右/三栖邦博常任理事)

   

 
 

平成18年4月5日

提言事項について

社団法人 日本建築士事務所協会連合会

1.管理建築士に病院長並みの管理責任を、併せて講習の義務化を
建築士資格を持っていれば、設計の実務経験や最近の技術や法令についての知識がなくても、事務所 を管理する管理建築士になることが可能。一級建築士の6、70%は、施工、建築行政、研究など設計以外の業務についているといわれる。資格があれば誰でも 管理建築士になれることから、発注者や“丸投げ”の下請との間でトラブルが絶えない。

加えて、現行では、管理建築士の事務所スタッフに対する監督・指導の規定がないため、同建築士がアルバイトの無資格者に構造計算を任せたり、書類にほとんど目を通さず判を押したり、また、スタッフが預かっている同建築士の判を使って処理するなどずさんな事態も起きている。

一方、事務所の経営者(病院なら理事長)と管理建築士(同院長)が別人の場合、現行では、同建築士の権限・責任が明確にされていないため、同建築士の立場は弱く、東横イン不正改造事件のように、経営者の不適正な要求にいいなりにならざるを得ない事態も招いている。

これらに対処するためには、建築士事務所のチェック体制の強化が欠かせず、そのためには管理建築士に「スタッフを監督し、業務遂行に欠けることがないよう必要な注意をしなければならない」など、医療法で定めた病院長並みの監督・指導の権限を与え、責任を明確化することが必要である。

併せて、管理建築士には、一定の設計・工事監理業務の実務経験と建築士事務所の新規登録及び更新時に講習の受講を義務付け、業務管理能力のレベルアップをはかることも欠かせない。(下記イラスト参照)

2.事務所登録時に建築士事務所協会加入の義務づけ
建築士が開業する際、または建築士を雇って開業する際、建築士事務所の開設・登録が義務づけられ ているが、人の生命、財産に直結した業務を行うにもかかわらず建築士事務所協会への加入は義務づけられていない。耐震偽装事件の姉歯秀次建築士も非入会 で、未加入者が多いことがトラブルを起こす一因にもなっている。

弁護士、税理士等は弁護士会、税理士会等団体への加入がいずれも義務づけられ、モラルに反する行為を行えば「退会」処分、業務を続けられなくなる。これが不法・不正行為を起こしにくい抑えの役割を果たしている。建築士事務所についても強制加入が必要である。

 これによって、協会は法令改正、技術や事務所管理の最新情報を木目細かく全事務所に提供することができるほか、さらに次のことも可能となる。

(1)責任の明確化と手抜き防止のため元請・下請契約の書面化
元請の建築士事務所が下請に業務を委託することが通例だが、ほとんどが契約書を交わしていないため、今回の 耐震偽装事件など、万一の際の賠償を含めてその責任の所在がはっきりしていない。責任の明確化のために契約の書面化を義務づける。消費者(発注者)と建築 士事務所間においても、もちろん同様である。

(2)設計・工事監理の記録化と保存の義務づけ
設計や設計図通りに工事が進められているかをチェックする工事監理をめぐって、発注者と建築事務所の間でのトラブルが絶えない。それを避けるため、現行ではあいまいな書面記録化を義務化する。

(3)事情聴取や調査権限の強化
現行は、建築士事務所の業務の適正化等をはかる法人として当連合会が指定されているが、会員事務所に対して資料の提出、事情聴取の権限や協力を科す規定がないため、当連合会は調査・苦情処理等をきちんと行うことができない。

旅行業法を例にとると、旅行業者への苦情に対しては旅行業協会が「事情を調査する」とともに当の旅行業者に「迅速な処理を求めなければならない」とし、あわせて同協会への資料の提出や協力義務を科している。

(4)建築士事務所の専門、得意技、実績の情報公開
消費者が自分に合った建築士事務所や所属する建築士を選ぼうとしても、現在は事務所が作成する ホームページ等を参考にするしかない。すべてが信用できる情報とは限らず、また、すべての事務所が情報を開示しているわけでもないため、消費者が安心して 設計等を依頼できる状況とはいえない。

消費者保護のためには建築士事務所および所属する建築士の専門や得意の分野、業務実績、講習受講歴などの情報を協会として開示する。

3.建築士資格の見直し
建築士は建築設計と全体統括・調整を、構造・設備は専門資格者に分業、責任を明確化

現在、構造設計、空調、電気、給排水等の設備設計を含め建物については、すべて建築士が設計を行っている。建築士とは いえ、現在の技術の高度化、法令の複雑化などによる専門化に対応できず、ほとんどが下請に行わせている。その下請は特定の資格を持たなくても、元請の建築 士の名義と責任で設計等の業務を行っているのが実情である。

ところが、結果に責任を持つべき建築士が専門知識と能力を持っていないため、ノーチェック状態で「パス」させてしまう事態も起きている(耐震偽装事件で、姉歯秀次建築士に構造計算をまかせた元請建築士<事務所>もこれにあたる)。

対策としては、高層ビル・マンションなど一定規模以上の建物の構造・設備に関しては、それぞれ構造設計資格者、設備設計資格者など専門資格者にまかせること。そのためには、専門分野別の建築士制度を導入、建築士の業務権限を建物の建築設計と全体の統括・調整に限定することが必要である。

    <「日事連、建築士法一部改正決定を受け、さらに提言」についてのお問い合わせ先>
    
     (社)日本建築士事務所協会連合会 常務理事  北野芳男

     <電  話>03-3552-1281 <FAX>03-3552-2066
     <e-mail> kitano@njr.or.jp

Copyright © 2011 Japan Association of Architectural Firms All rights reserved.