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自民党建築設計議員連盟総会で本連合会は「建築士制度の改正にかかる要望」を提出しました(報告)




自民党建築設計議員連盟総会で本連合会は
「建築士制度の改正にかかる要望」を提出(報告)

 

 

 
自由民主党建築設計議員連盟(会長 額賀福志郎衆議院議員)の総会が、平成18年8月23日(水)、自由民主党本部701号室において開催された。

この総会において、本連合会は「建築士制度の改正にかかる要望」を行いました。


平成18年8月23日

(社)日本建築士事務所協会連合会

建築士制度の改正にかかる要望

構造計算書偽装問題の再発防止を目指し、次期国会での建築士法の抜本改正に向け、7月31日の社会資本整備審議会基本制度部会において報告書案が提示され、8月31日の最終答申を目途に、パブリックコメントが実施されたところであります。

これまで、本連合会は建築設計業務を業として行うのは建築士個人ではなく、建築士事務所であり、消費者に業務責任、契約責任を果たすのは建築士事務所であるとの認識の下、「建築士事務所を管理する建築士(管理建築士)に病院長なみの管理権限�・責任を、併せて講習の義務化を」「事務所登録時に建築士事務所の団体加入の義務付け」の2点に絞って、その実現化を強く要望してきました。これら方策の検討に尽力された国に対して深く敬意を表するところでありますが、パブリックコメントに付された報告書案では必ずしも十分ではありません。

管理建築士については、建築士事務所業務の厳正な執行に資する管理建築士の権限・責任及び要件の強化の必要性は国の審議会でも特に大きな異論もなく、基本的に受け入れられたと考えられますが、報告書案では具体的な権限の強化や要件強化の方策が十分ではなく、更なる充実強化が必要と考えます。

また、団体加入の義務化については、国民の権利や財産を扱う他の業種の資格(弁護士、税理士、司法書士等)では既に実施され、倫理の徹底、業務の適正化、講習によるきめ細かな指導が行われているところであります。しかし、建築士事務所については、報告書案では様々な状況をとりあげ、次のステップとされ、当面は団体加入の促進と団体の自立的な監督体制の強化のための方策が提示されています

以上2点のほか報告書案では、専門分野の設計等については、現行の一級建築士の中に特定構造建築士(仮称)、特定設備建築士(仮称)を新たに設け、それらに一定規模以上の建築物等の構造又は設備の設計図書の作成又は法適合証明を義務づける方策が提示されました。これは建築士資格を前提としているため、とりわけ建築士資格をもつ設備技術者は極端に少ないなど、建築士事務所の業務の執行上支障をきたすなどの懸念があります。

今回の構造偽装問題をはじめとする一連の事件が国民に大きな不安と損害を与えたことに鑑み、今後の再発防止と消費者保護の観点から建築士事務所の業務の適正化を図ることは極めて重要であり、これら3点に関連して下記のとおり実現されるよう強く要望します。

1.管理建築士の権限�・責任の明確化、要件強化の充実

消費者に安全で安心できる建築物の設計�・工事監理業務を提供するのが建築士事務所の使命であり、その建築 士事務所の業務に係る技術的事項を総括する管理建築士の立場は極めて重要であります。特に建築士事務所の開設者が建築士でない場合、建築士事務所の業務の 適切な執行及び法令の遵守等の観点から専門家である管理建築士が果たす役割は重要であります。管理建築士の事務所管理機能の強化の必要性が報告書案に記載 されてはいますが、そのための権限�・責任の明確化、要件の強化の具体策が必要であります。

以下の3点は6月26日の審議会で提示された「建築士制度の見直しの方向性(素案)�」の中で明示されてい ましたが、今回の報告書案では削除されました。これらは、管理建築士を建築士事務所に置かなければならないとする現行制度を実効あるものとするために是非 とも必要な事項であり、その実現化を強く要望します。

1) 管理建築士に対する講習の受講歴を、実務経験に加えて要件とすること。

2) 開設者が管理建築士の意見を尊重しなければならないとすること。

3) 管理建築士の業務として、所属建築士等に対する指導監督のほか、
   納品する設計図書のチェックを行わせること等を位置づけること。

2.事務所の団体の加入義務化等

業を行う事務所の団体加入の義務化は、事務所の業務の適正化や消費者保護の観点からも大変重要な事項であり ますが、報告書案で見送られたことは残念であります。しかしながら、ハードルが高く、様々な状況の中で当面は既存団体への加入率を向上させるための措置を 講ずるとされたことは、一定の理解をせざるを得ないと考えます。加入の促進と団体の自立的な監督体制の強化を図るためとして、団体による研修の実施、団体を通じた業の適正化の取組みの推進及び指定登録法人制度を活用した団体による登録と閲覧事務の執行が報告書案に提示されていますが、これらの措置はぜひとも実現を図るべきと考えます。

これらに関連して次の3点の実現も強く要望します。

1) 団体加入の義務化の必要性の明記
報告書案に「業を行う事務所の団体加入の義務化は、事務所の業務の適正化や消費者保護の観点からも必要であり、状況を見て改めて検討されるべき課題であ る」旨を明記すること。(少なくとも、次の検討段階では義務化が必要である旨の記述が必要である。)

2) 事務所団体の法定化
事務所協会及び事務所協会連合会を、現在の建築士会及び建築士会連合会と同様に、法定団体とすること。(その際、建築士のみでなく、管理建築士に対する研修等についても事務所の団体の業務とすること。)

3) 団体による登録�・閲覧事務に関し、業(事務所)に関連する当該事務は
   事務所協会を指定すること。

3.資格の専門分化等

建築設計が高度化し、専門分化している現在、意匠・計画設計及び設計全体のとりまとめ・調整を行う建築設計 者に必要な能力と、構造、設備の専門分野の設計を行う専門技術者に必要な能力とは異なること、また建築設計者と専門技術者の協同作業により建築物が設計さ れている実態を踏まえ、従来から本連合会は専門技術分野の資格者を建築士とは別の資格者として創設すべきであると主張してきましたが、報告書案に提示された建築士をベースにした特定構造(設備)建築士の創設が不可避であるとすれば、建築士事務所の業務の執行に支障をきたさないよう、次の点を要望します。

1) 特定構造(設備)建築士を現行の建築士資格に上乗せする上位の国家資格としないこと。

2) 特に特定設備建築士が少ないことが予想されるため、円 滑な業務執行に支障をきたさないよう、特定設備建築士の関与が義務づけられる建築物の範囲の設定に当たっては、十分な配慮をするとともに、建築士のもとで 業務補助を行う者までも禁止とならないよう、運用上の配慮をすること。

 

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