自由民主党建築設計議員連盟(会長 額賀福志郎衆議院議員)(以下、議連)の総会が平成21年6月19日、午前8時30分より自民党本部にて開催された。総会には、議連を構成する国会議員衆 参併せて20名が出席し、(社)日本建築士事務所協会連合会(日事連)からは日事連役員及び都道府県の建築士事務所協会の会長等50名が出席した。国土交 通省の住宅局からは和泉洋人住宅局長、小川富由大臣官房審議官(建築行政)及び井上俊之建築指導課長他が、大臣官房官庁営繕部からは、藤田伊織官庁営繕部 長及び鈴木千輝整備課長他が出席した。
この総会において、三栖邦博会長より、以下の3項目について要望がなされた。
<1>ピアチェック(構造計算適合性判定)の対象建築物の高さ、階数等による限定
<2>設備設計一級建築士制度等の円滑な施行
<3>新業務報酬基準告示の実効性確保のための措置の徹底
改正建築基準法及び改正建築士法の円滑な施行については、日事連は、昨年10月2日の議連総会において、上記の3点 の要望を行った。さらに、このうち特に設備設計一級建築士の円滑施行の問題については、本年3月13日に金子国土交通大臣に対し、具体的方策を盛り込んだ 要望を行っている。
改正建築基準法及び改正建築士法の施行については、依然、日事連の構成員である全国の建築士事務所から、改正法による時間や経費、事務量の長大化の傾向と折からの景気低迷の影響により、建築士事務所の経営を大きく圧迫しているとの声が寄せられているため、同議連に対し再度要望したもの。
これについて、和泉住宅局長からは、建築確認(構造計算適合性判定物件)に要する日数の状況を、構造/設備設計一級 建築士制度の円滑施行については、資格者の増員、過去の関与対象物件の元請建築士事務所へのアンケート調査結果の報告と今後の取り組み方針を、また、新業 務報酬基準の実効性の確保については、その周知に向けた取組みについて説明がなされた。(配布資料)
さらに、藤田官庁営繕部長からは、国土交通省が発注する設計業務における資格者の取扱い及び設計業務等の業務費の積算基準について説明がなされた。(配布資料)
出席した国会議員からは、「経済対策で学校の耐震診断等に多くの予算がついたが、それを行う資格者が不足し、矛盾し た政策が露見した。善処策はあるのか」、また「公共団体の発注で構造/設備一級建築士を雇用していない事務所だからといって発注対象から外すことのないよ う弾力的運用を行ってほしい」、また「新業務報酬基準告示の実効性の確保については、末端の市町村にまで、総務省と連名で国土交通省より徹底して欲しい」 等の発言があった。そのうち、
保岡興治衆議院議員からは、「今回の法改正について、民間が自らの責任の下で対応するという基本原則をはっきりとさせるべきだ。その上で官が大きな基準や 全体的な方向性を示し、それを守らなかった場合には行政処分、刑事処分により対応するという基本的なあり方の重要性をこの議連で改めて確認したい」等の意 見が出された。
これらの議論を踏まえ、額賀議連会長より
「本日は、ピアチェックの簡素化の問題、設備設計一級建築士制度の問題及び報酬の問題の三つ要望があったが、役所は上からトップダウンではなく、現場から の実状、声から新しい行政基準を作っていくことが最も大事である。国土交通省では本日の議論を踏まえ、しっかり対応していただきたい」旨の要望が国土交通 省になされた。
最後に逢沢一郎議連幹事長より締めくくりの挨拶がなされた。
議連総会に出席した国会議員は次のとおり。
<衆議院議員>(順不同�・敬称略)
逢沢 一郎、今村 雅弘、大塚 高司、木村 隆秀、小坂 憲次、佐田玄一郎、
塩崎 恭久、谷垣 禎一、土井 亨、渡海紀三朗、西銘恒三郎、額賀 福志郎、
福井 照、保岡 興治、山崎 拓、山本 明彦
冨岡 勉、関 芳弘
<参議院議員>(順不同�・敬称略)
小池 正勝、世耕 弘成