010 改修不可能と思われる瑕疵があり、損害賠償を求めたい

●改修不可能と思われる瑕疵があり、損害賠償を求めたい
【問】  取引銀行の紹介の建設業者に、鉄筋コンクリート造3階建ての住まいを委託しました。間もなく工事が完了するのですが、仕上がりが良くありませんし、追加工事金額も高く最終残金は支払いたくありません。ぜひ、相談にのってください。

 建物の総延面積は約52坪で、坪当たりの工事費は約115万円、追加工事費が400万円と誰に尋ねても高いといわれます。そのうえ、今の段階で次の欠陥が気になります。

(1)各階の床が水平でなく歩くと床鳴りがします。

(2)建具の建て付けがよくありません。

(3)建物本体と化粧台に隙間ができており、造り付けの洗面・化粧コーナーの造作が、極めて悪い仕上がりになっています。

(4)設計図では天井の段違いなのに、2段に変更されています。

(5)パラペット部分と車庫内の外装タイルにクラックが入っています。(このことは、2年後に改修する確約書を取り付けています)

(6)浴室の床と内装のタイル貼付けが粗雑です。

 以上のことから、改修不可能な瑕疵が多く見られますことから、追加工事代は損害賠償金として支払いを拒否したいと思いますが、いかがなものかをお尋ねする次第です。

【答】  建築工事費が高いかどうかは、設計図書と工事の見積書を引き合わせのうえ、現場を見てみないとわかりません。工事の仕上がり具合については、あなたの指摘どおりとすれば、たしかに工事業者が技術面で劣っているのかもしれません。あなたが指摘する欠陥工事については、次の事柄を参考として問題解決に努めてください。

 ご指摘の(1)(2)(3)について共通することは、躯体工事が終了した段階で「引き通し」(糸を引き通して水平と垂直を確認)が省略されていたことが原因のようです。床鳴りの原因は、根太材等に乾燥材を使用しなかったことや、そのサイズとピッチ不足によることが多くあります。なお、これからの取付け用釘打ちは中途半端では床鳴りが起きます。完全に釘打ちをするか、できればビス止めにすることです。

 (4)(5)(6)は当然、工事ミスで(6)については、タイル職人がタイルの割付けをしなかったのが原因のようです。

 改修が不能な部分については、話し合いのうえ、損害賠償金で解決する方法もあります。

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