026 工事金額をかなり値引きさせたので建物の出来具合が不安

●工事金額をかなり値引きさせたので建物の出来具合が不安
【問】  最初、3~4の設計事務所を当たり、その中で一番安いと感じた事務所に、鉄筋コンクリート造で地下1階(倉庫)、地上3階建ての店舗付き共同住宅の設計・工事監理を委託しました。もちろん、当初の設計金額を値切ったうえ、工事監理料はほとんどサービスに近い金額でとり決めました。

 施工業者は10社が来ましたが、見積書を提出したのは4社で、最低価格10,300万円で落札。地下室の水中ポンプ2台を1台に、その他の仕様を落とし800万円値引きさせ、9,500万円で工事契約して間もなく着工の運びです。

 しかし今となって、800万円値引きした工事内容に、私としては納得がいかず心配になっています。一例として、ユニットバスのトイレを別にする設計変更したら、160万円の見積書が送られてきました。これは妥当なものであるかどうか不安でなりません。

【答】  直接、施工業者と交渉している様子ですが、設計・工事監理者がいるのですから、十分信頼して何でも相談し、中に入ってもらうことです。

 折角、設計・工事監理者がいるのに監理者抜きの注文や指示をしたのでは、施工の進行がスムーズにいきません。

「値切るのが私の生きがい」と言わずに今少し監理料を奮発し、あなたの期待する建物の完成に向けて、専門家に見てもらうことが一番です。結果的には、そのほうが安くつきます。

 とにかく、建築主は専門知識がないのですから、右往左往する気苦労はやめたほうが得策です。なお、工事の進行については、工事監理者や施工業者との打合わせにおいて、必ず打ち合わせ事項や写真などを1冊のノートにまとめることも大切です。

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