020 転勤で自宅が空き家に、その間の管理方法について教えてください

●転勤で自宅が空き家に、その間の管理方法について教えてください
【問】  転勤で自宅を空けなければならなくなりました。戻ってくるまで貸すことも考えましたが、期間がそれほど長くなさそうなので、閉めていくつもりです。その間の管理方法について、詳しく教えてください。
【答】  質問の内容から、自宅は一般的に木造の住宅、また空けられる期間はそんなに長くなく、時々は帰ることができそうな転勤と受けとれますが、いかがでしょうか。

 人間が生活していない建物は、常時閉めたままの状態となり、空気の流通等が悪化し、カビや劣化が生じて来ます。日本には四季が有り、ある一定時期には高温多湿の状態が続く風土です。例えば車のバッテリーも、エンジンを掛けずに放置しておきますと、放電し、車のエンジンがかかりにくくなるのと同様です。建物も車も時々使用しなければ調子が悪くなります。

 木造住宅の材料の多くは木材を主体にしております。樹木が伐採され、材木という製品となっても、その材木、木々は生きております。即ち呼吸をしており、湿気の多い日には吸い込み、乾燥時にはその湿気を放出してゆきます。長い間住宅を閉じておりますと、湿気を吸い込むだけで放出できず、バランスが崩れ、畳がふやけたり、建具の開閉が悪化したり、動かなくなったり、又ひどくなりますと、カビやダニ等湿気を好む虫等が、人間に替わって住人となってゆきます。

 対策としては、一番良いのが通気をし、乾燥させるのが良いわけです。ですから、天気の良い日を見て建具を開放してやること、また押し入れの中の物まで天日に干すこと、建具はできるだけ動かすことが大切だと思います。戻ることができない場合は近所の知人の方に依頼して、一週間に一度くらいは風を通したいものですね。

 また、もし浄化槽を使用している場合、この中に汚物を腐敗させる機能があります。長い間放っておくと、その中の微生物が死んでしまいます。そうすると浄化槽の役目がなくなってしまいます。これだけはぜひ専門の維持管理者に依頼し、種汚泥を時折入れていただいてください。

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