015 構造の工事不良箇所の発見で大地震に不安です。法的な解決方法は?

●構造の工事不良箇所の発見で大地震に不安です。法的な解決方法は?
【問】  工事に不良箇所が見受けられ、大地震があった場合に心配です。

 最近、木造2階建ての住まいを新築しました。設計など一切を近くの工務店に任せて工事が完了し、工事代金はすべて支払い済みです。入居して間もなく、家が揺れるような感じがして、心配の余りに友人の紹介で検査会社に依頼し、建物の診断をしてもらいました。その結果、次の検査報告書を受けました。

(1)通柱は皆無だが、2隅の部分には施工可能であった。

(2)火打土台は1カ所もなく、火打梁が少ない。

(3)床束の根太貫が全く入っていない。

(4)筋違いは建築設計確認通知書添付の軸組計算書どおりでなく、その必要とする箇所がかなり抜けている。

(5)小屋筋違い(雲筋違い・山筋違い)は1本もない。

(6)砕石地業の砕石敷込みが設計図より不足している。

工務店には、最初に地震に強い、頑丈な基礎を注文してありましたが、今回の報告書では基礎の調査はむずかしいとのことでした。とにかく、この状態では大地震に不安です。法的に解決したいと思いますが、参考意見を伺いたく相談に来ました。

【答】  目視調査のようですが、この検査報告書のとおりであれば、大地震の場合、必ずしも安全とはいえません。問題は、どの程度補修できるかです。

(1)については、外観が悪くなりますが、添柱(通柱)を設けることができます。(3)(5)は、床下や小屋裏に潜って、なんとか補修できますが、(2)(4)の改修は床や壁の一部を剥がさねばならず、かなり大ごとになります。(6)は、厚さが分かりませんが、改修は不可能です。

 法的な解決を希望しておられますが、都道府県の建設工事紛争審査会の斡旋または調停、もしくは簡易裁判所の民事調停で解決するしかありません。

 当然、補修工事については、工務店の言い分も聞かなければなりませんが、工務店のミスで補修工事ができないのであれば、損害賠償の対象となると思います。

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