021 木造家屋の塗装直しは

●木造家屋の塗装直しは
【問】  よく外壁を塗装すると木造家屋が長もちするといわれますが、建ててから何年ぐらい経てから塗装するといいのでしょうか。また、業者に委託する場合の注意事項を教えて下さい。
【答】  一概に木造家屋といっても、多種多様であります。また、塗装する場合の下地が何でできているかによっても違って来ますが、今回のご質問は恐らく、外壁が建材で造られた最近の建築ではないかと思われますので、今回は外壁の塗装について説明します。

 塗料は建築材料の中にあって一番劣化の進みの激しい材料です。一般に塗料とは物質の表面に塗布し、皮膜を形成することによって、その物体の保護をすると同時に美化を発揮するという目的をもっています。

 また、塗料の構成には、塗膜をつくるための成分(塗膜形成要素)と、塗膜にはならないが塗膜の形成を助ける成分(塗膜形成助要素)から成り立っています。塗膜に色を与え、塗膜の機械的な性質を向上させる目的で加える粉末成分を顔料といいます。顔料を含まないものはクリアーかワニスと呼びますが、この部分を組成面から展色剤(ビヒクル)といいます。一般に顔料を含む塗料は展色材を作り、次にこれに顔料を分散させて作ります。

 外壁がモルタルなどの場合は、アクリル樹脂系エマルジョンに砂を入れて吹き付ける場合、これをリシン仕上げといいます。また、石綿スレートなど平滑面に仕上げたい場合は、アクリル樹脂系エマルジョンを刷毛で塗布します。いずれにしても、種別としてはアクリル樹脂エマルジョン系がよいと思います。これらのことを頭に入れて、業者と話し合われるといいのではないでしょうか。

 もう一つの質問の何年ぐらいで塗装したらよいか、ということですが、この建物の立地条件によってかなり異なってくると思われます。交通が激しく排気ガスなどの多い所、または海岸など塩分の多い所などでは、外壁もかなり傷みやすくなります。一般的には5、6年ぐらいで塗り替えられたらよいと思います。

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